ドワンゴら、背景美術会社を設立--川上会長「アニメスタッフの社会的地位上げたい」

井指啓吾 (編集部)2015年07月31日 16時18分

 ドワンゴは7月31日、映画監督の庵野秀明氏が代表を務めるカラー、スタジオジブリのプロデューサーである西村義明氏が代表を務めるスタジオポノックと、背景美術を手掛ける新会社「株式会社でほぎゃらりー」を7月1日に設立したと発表した。劇場用映画などで背景の制作や美術監督を務めてきた11人が所属する。

  • アドバイザーとして参画する、美術監督の男鹿和雄氏による企業ロゴ

 ドワンゴが50%、カラーとポノックが25%ずつ出資。代表取締役社長に小林毅氏が就任し、取締役には庵野秀明氏、西村義明氏、ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏が就任した。

 小林氏は、これまで実写映画の制作プロダクションで劇場用映画制作などに携わってきた人物。映画「ヒーローインタビュー」「THE有頂天ホテル」「巨神兵東京に現わる」などを担当したほか、特撮担当として「亡国のイージス」「沈まぬ太陽」などにも携わっている。また、ドワンゴが参加したテレビアニメ「山賊の娘ローニャ」ではアニメーションプロデューサーを務めた。

 今後、各スタッフの経験を生かし、アニメーションだけでなく、ゲームや広告クリエイティブなどの領域でも美術を手掛けていく方針。また、美術監督の男鹿和雄氏、武重洋二氏をアドバイザーに迎え、“絵の具と筆による手描きの背景美術”にも取り組むという。

 社名のでほぎゃらりーは、男鹿氏が自身で美術会社を作る場合に考えていたものを採用した。同社によれば、「でほぎゃ」とは秋田弁で、“でまかせ、口まかせ”を適当に言ってしまうこと。ただ、人をだまそうとする悪意のあるものではなく、その場を面白おかしく適当に継いでしまうことを意味するという。

 でほぎゃを言うには、とっさの判断とそれなりのセンスも必要だという。「背景を描く人にとって置き換えてみれば、筆と絵具を使った“筆まかせ”“絵具まかせ”の『でほぎゃ』的要素があったほうがいいのではないか」との思いを込め、「ギャラリー」とかけ合わせて社名としたそうだ。

 新会社の設立にあたり、川上氏は「微力ではありますが、『でほぎゃらりー』を大成功させて、アニメ業界の発展とアニメ業界に携わるスタッフの社会的地位の向上に貢献できればと願っています」とコメントしている。

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