AppBank、元取締役の横領問題に言及--「告訴の手続き進めている」

井指啓吾 (編集部)2016年02月17日 20時51分

 元取締役による1億4000万円あまりの横領が発覚した問題について、AppBankの代表取締役社長CEOである宮下泰明氏、専務取締役グループCFOである廣瀬光伸氏が2月17日の決算会見で記者団の質問に答えた。

 AppBankは2015年12月、同社の元取締役が金銭を業務上横領していた疑いが判明したとし、社内調査委員会を設置すると発表。そこでまとめられた「社内調査報告書(開示版)」を2016年1月に発表した。これによれば、経理部門の元取締役である木村朋弥氏が、2013年3月から2015年1月および同8月に、支払業務を利用して計1億4869万1476円を同氏が出資する会社などに不正に送金していたという。

社内調査委員会による社内調査報告書(開示版)に「恐喝」の文字
社内調査委員会による社内調査報告書(開示版)に「恐喝」の文字

 資金使途について、社内調査報告書には、木村氏の上申書に不正送金額のうち約3000万~3500万円が「恐喝」によると記述されているが、その「事実確認が行えなかった」(同書)として具体的な内容を示していない。これに関して、今回の横領問題が反社会的勢力と関係している疑いがあると指摘する記事が「Yahoo!ニュース 個人」に掲載されたが、AppBankはその内容を否定する文書を発表している。

AppBankの専務取締役グループCFOである廣瀬光伸氏
AppBankの専務取締役グループCFOである廣瀬光伸氏

 廣瀬氏は会見で、AppBankと反社会的勢力との関わりをあらためて否定。木村氏個人と反社会的勢力との関わりについては、社内調査委員会による同氏への聞き込み調査で「本人が急に証言してきた内容で、その信ぴょう性などが私どもには評価のしようがない」とし、「必要な捜査機関に委ねて確認していただく」と木村氏を告訴する手続きを進めていると説明した。手続きの状況などについては回答を控えた。

 廣瀬氏によれば、木村氏への聞き取りの内容は上申書として社内調査委員会から受け取っているが、「内容にまったく具体性がないため、(木村氏と「脅迫」で関わっていた人物が)どこの誰なのかはまったくわからない」という。上申書の詳細な内容は明かさなかった。

 同社は2015年10月15日に東証マザーズに上場。同日、業務関連データが外部に流出したと発表した。廣瀬氏によれば、現在も詳細を調査中で、横領問題との関連は見つかっていないという。

AppBankの代表取締役社長CEOである宮下泰明氏
AppBankの代表取締役社長CEOである宮下泰明氏

 上場以来トラブルが続くAppBank。代表取締役社長CEOの宮下氏は、「反省すべき点がたくさんあり、その分強くなれる要素があると思っている。会社をもっとよくしていくために与えられた試練だと思って、ポジティブに、真摯(しんし)に考えて進んでいこうと捉えている」と話した。

 AppBankの2015年12月期(1~12月期)の連結業績は、売上高が39億6600万円(前期比31.7%増)、営業利益が9億1200万円(同41.7%増)、純利益が5億5100万円(93.6%増)。来期の連結業績予想は開示しなかった。

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