ビズリーチ、“3年後に活躍しているか”を分析できる戦略人事システム「HRMOS」

 ビズリーチは6月14日、クラウド型の戦略人事システム「HRMOS(ハーモス)」を発表した。人材の採用から育成、登用、評価までを一元管理することで、採用した社員が3年後、5年後に活躍しているかを分析できることが特徴だ。その第1弾として、企業の採用業務を効率化する「HRMOS採用管理」を公開した。

 HRMOS採用管理は、社員紹介の受付けや実績レポート、社員への求人案内機能などを備えたサービス。これまで分散することも多かった、応募から選考、メール連絡までの、候補者にまつわる情報を一元管理できる。媒体や人材会社ごとの選考実績や、面接官の評価傾向などもグラフで表示して、分析レポートとして抽出できるため、データに基づいた採用活動が可能だ。

「HRMOS採用管理」
「HRMOS採用管理」

採用にも「費用対効果」を

 同社は、2015年5月に複数の大手求人サイトを横断して一括検索できるサービス「スタンバイ」を公開。参加企業には、求人情報を作成・管理できる無料の採用プロモーションツール「スタンバイ・カンパニー」を提供してきた。その中で、多くの利用企業から、採用業務で発生するデータを可視化しながら横断的に管理し、さらなる業務の効率化を可能にするツールが求められていたと、ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏は語る。

 「企業の人事担当の皆さんとお話をする機会が多いが、なぜ採用業務は、ある意味で費用を投資するにも関わらず、営業やマーケティングのように、費用対効果や投資回収率を求められないのかと聞かれた。確かに企業の本来の目的は人を雇うことではなく、投資した費用に対してどれくらいリターンがあるのかということ。経験や勘に頼るのではなく、データを生かしてPDCAサイクルを回していく必要がある」(南氏)。

ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏
ビズリーチ代表取締役社長の南壮一郎氏

 しかし、営業職やマーケティング職のように、日常的にデータに触れていない人事担当者でも、すぐにHRMOSを使いこなせるのかは疑問が残る。この点については南氏も、時間をかける必要があると認める。コンシューマー向けサービスのように見やすく操作しやすいUI、UXを提供するなどして、人事の意識を変えていきたい考えだ。

人工知能で人事の意思決定を支援

 ビズリーチは、HRMOSの提供にあわせて、セールスフォース・ドットコムと資本・業務提携したことも発表した。同社は、3月にセールスフォースの投資部門であるSalesforce Venturesなどから総額約37.3億円の資金を調達していた。セールスフォースが蓄積している営業支援やCRMのデータ、従業員のデータとHRMOSを連動させる予定。また、セールスフォースの持つクラウド事業のノウハウにも期待するとした。

 今後は、HRMOS採用管理に続いて、2016年秋に「HRMOS勤怠管理」を、2017年春に「HRMOS評価管理」を公開する予定。さらに、すべてのサービスを連動させることで、人事担当者の意思決定を人工知能(AI)で支援していくという。具体的には、人事関連データを一元管理しながら、自社で活躍する人材の行動や成果を学習させるとしている。約3年後の2019年6月時点で、2000社以上の導入を目指す。

すべてのサービスを連動させることで、人事担当者の意思決定を人工知能(AI)で支援していくという
すべてのサービスを連動させることで、人事担当者の意思決定を人工知能(AI)で支援していくという

 「もともと僕らは人材の会社ではなく、データとテクノロジを生かして社会を活性化させることをミッションにしてきた。HRMOSによって、これまでのマッチング領域に加えて、初めてエンタープライズ向けのソフト領域へと入っていく。究極はHRMOSによって、(採用に)投資していることを人事が経営者と同じように認識すること。多くの企業の中で当たり前に使われるサービスにしていきたい」(南氏)。

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