科学・技術・工学・数学(STEM)教育の重要性が認識され、日本でも2020年(平成32)年度以降に小学校でのプログラミング教育必修化が検討されている。そのプログラミングは、論理的な思考力の習得に適した教材だ。
ただし、ミネソタ大学でプログラミング教育に携わったPaul Boswell氏によると、学生はコーディングを学習するだけで、コンピュータを抽象的なブラックボックスと見なすそうだ。そのため、コンピュータの原理を学ばず、演算が電子回路の組み合わせで実行されている事実を知らずに終わってしまうという。
そこで、Boswell氏は、コンピュータの演算原理を学習するための教育玩具「Turing Tumble」を開発。現在、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」で支援を募っている。
Turing Tumbleは、パチンコやピンボールのように、小さなボールをボードの上から転がして遊ぶSTEM教材。ボードには数多くの突起が設けられていて、さまざまなパーツを取り付けて落ちていくボールの動きを制御する。題材として与えられるパズルを解くと、一種の機械式コンピュータが完成し、コンピュータの動作原理である論理演算を学べるのだ。
パズルは51種類あり、単純なものから複雑なものへと1つ1つこなすことで、演算の概念が学習できる。しかも、宇宙で活躍するエンジニアが冒険するコミックのストーリーと連動しているため、子どもは飽きずにパズルを解いていけるだろう。
突起に取り付けるパーツは、ボールを右または左の1方向へのみ落とす「ramp」、ボールを入ったのと反対側へ落とす「crossover」、1ビットの情報を保持する「bit」、動作を止めさせる「interceptor」、複数連携して2桁以上のビット情報を保持する「gear」と「gear bit」の6種類。これらを組み合わせることで、積算、加算、減算、乗算、除算、数値の比較、論理演算などを処理する機械式コンピュータが作れる。
Kickstarterでの支援受付期間は日本時間6月29日まで。記事執筆時点(日本時間5月31日14時)でキャンペーン期間は29日残っているが、すでに目標金額4万8000ドルを上回る約5万2000ドルの資金を集めている。
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