女子高生が「MERY」を好み復活を求める理由

2016年12月17日 08時00分

女子高生が「MERY」を好み復活を求める理由
医療・健康情報を扱うDeNAのキュレーションメディア「WELQ」に始まった一連の問題により、次々と“キュレーションサイト”が閉鎖している。閉鎖したキュレーションメディアの中で、DeNAが最後まで閉鎖したがらなかったサイトが女性向けメディア「MERY」だ。
高橋暁子
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著作権に興味がない女子高生たち

 MERYが閉鎖した理由は、文章や写真などの盗用・無断転載が多かったためだ。ユーザーの中にも、それが分かっている子もいる。「知り合いのインスタとか載ってて許可を得てると思ってたけど得てなかったんだ」という声は複数あった。

 一方、「お洒落情報で医療情報とかじゃないのになんでダメなの?」という声も目立った。つまり、薬事法違反や誤った内容の記事が目立つ医療・健康メディアWELQが閉鎖したことは、健康被害につながる恐れもあるため理解できる。しかし、お洒落やファッションなどでは、「正しいとか、正しくないという答えはないのになぜ?」というのが彼女たちの本音なのだ。著作権などどうでもいい。自分たちが情報を得て楽しんでいたのだからいいではないか…そう考えているのだ。

 Twitterで検索すると、女子高生たちは「MERYがなくなって何読めばいいのか困ってお姉ちゃんに聞いたら、locari勧められた」と、類似アプリに移行していることがわかる。MERYと似たようなアプリやサイトは多数ある。彼女たちは、無料でスマホでお洒落やファッションに関する情報を効率よく得たいだけだ。あくまで享受する側であり、著作権違反される側ではないため、著作権法違反には興味がないのだ。

 SNSにはさまざまな情報があふれている。手っ取り早い正解を求めて、情報を得たいという女子高生たちの気持ちもわかる。可処分所得が低いため、無料で情報が得られるアプリに流れてしまう気持ちもわからないではない。しかし、かつての女子高生たちもお金はなかったが、ファッション誌だけは頑張って購入したり、友だちの間で回し読みしたりして情報を得たものだ。お金がないことは、他人の著作権を無下にしていい理由にはならない。

 多くの女子高生たちは、著作権についての意識や関心が非常に乏しい状態だ。しかし、良いコンテンツを生み出すにはコストがかかるものであり、そこに投資しなければ何も生まれなくなってしまう。周囲の大人たちは、その道理を教えていく必要があるだろう。

高橋暁子

ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。

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Twitter:@akiakatsuki

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