会話から感情を読み取るAI--ウェアラブルな「ソーシャルコーチ」の可能性

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2017年02月07日 07時00分

 自閉症や社会不安症などを抱える人々にとって、日々の会話で相手の身振りや声の調子などの社会的手掛かり(ソーシャルキュー)の意味を理解するのは気力のいることだろう。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究者らは、いつの日かそうした社会的手掛かりの理解を助ける人工知能(AI)搭載ウェアラブルデバイスを提供したいと考えている。


提供:CSAIL

 この研究者らは、ディープラーニング技術を使って、会話の内容が楽しいか、悲しいか、どちらでもないかをリアルタイムで判断するという研究の、最新の成果を発表した。判断は、人の声の音声パターンとバイタルサイン(脈拍や血圧などの生体信号)のデータに基いて行う。データはサムスンのリストバンド型デバイス「Simband」で収集する。研究者らは、この研究で開発するアルゴリズムが、障害のある人々のための「ソーシャルコーチング」を提供するウェアラブルデバイスでいつの日か利用されることを期待している。

 「会話の後で、その会話を巻き戻して周囲の人々が最も不安に感じたところを確認できると想像してほしい。われわれの研究は、それを目指している。人々が自分のポケットにAIソーシャルコーチを持ち歩く世界はそれほど遠くない」と、博士候補のMohammad Ghassemi氏と関連論文を共同執筆した大学院生、Tuka Alhanai氏はコメントしている。

 両氏は、サンフランシスコで開催された米人工知能学会(AAAI)のカンファレンスでこの論文を発表した。

 研究者らは、数分間の会話を31件収録し、AIシステムを開発した。収録した会話データを使って2つのアルゴリズムを訓練した。1つは会話全体が楽しいものか悲しいものかを判断するアルゴリズムで、もう1つは会話を5秒ごとのブロックに分け、各ブロックがポジティブかネガティブか、ニュートラルかを分類するアルゴリズムだ。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]