東工大、次世代スパコン「TSUBAME3.0」を今夏稼働開始へ--AI分野の需要拡大に対応

 東京工業大学(東工大)は2月17日、学術国際情報センター(GSIC)が開発・運用するスパコンシリーズ「TSUBAME」の次世代モデル「TSUBAME3.0」を、今夏の稼動に向けて開発・構築すると発表した。


TSUBAME3.0の完成予想図

 2010年11月に稼働を開始した「TSUBAME2.0」「TSUBAME2.5」は、「みんなのスパコン」として6年以上にわたり国内外の産学官の研究開発を支援。GSICでは、関連各社とともに高性能科学技術計算(HPC)に加え、近年需要が増大しているビッグデータやAIの研究を進めており、それらの研究成果やTSUBAMEシリーズの運用経験から、後継となるTSUBAME3.0を設計した。

 TSUBAMEシリーズでは、早くからNVIDIA製GPUを採用。TSUBAME3.0では、第4世代目にあたる次世代GPU「Pascal」を2160コア搭載。TSUBAME2.5および「TSUBAME-KFC」のものと合わせると、総数6720のGPUがGSICで稼働することになる。

 TSUBAME3.0の理論演算性能は、16bitの「半精度」以上で47.2ペタフロップス(1ペタフロップスは1秒間に1京回の計算)。TSUBAME2.5/3.0も併用することで、半精度以上で64.3ペタフロップスの演算性能を提供する国内最大のスパコンセンターになる。

 東工大によると、科学技術計算の多くは、データサイズ64bitの「倍精度」を必要とするが、人工知能(AI)やビッグデータ分野では16bitの半精度での処理が可能であり、需要が急増しているAIやビッグデータなど各分野での利用が大きく期待されているという。

 東工大では、TSUBAME3.0でも「みんなのスパコン」理念を継承。日本トップの大学情報基盤センターとして、学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)や革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)、GSICのTSUBAME共同利用制度を通じ、学外の研究者や企業の研究開発にも提供する。

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