カートの車輪に内蔵されたビーコンで人の位置を把握--DNPがIoTサービス

 大日本印刷(DNP)とスター精密は3月6日、荷物カートなどの車輪(キャスター)の回転による発電で稼働する「キャスタービーコン」を活用したIoTサービスを4月に開始すると発表した。

ビーコン
1.車輪に内蔵されたビーコンが電波を発信 2.クラウドサーバーが情報を受信して集計 3.管理画面で集計結果を表示

 同サービスは、商業施設や駅・空港などで、人やモノの現在位置や動きを可視化。スター精密が開発したキャスタービーコンが電波を発信し、施設内の受信機を介してカートなどの位置情報を集約する。このサービスでは、DNPの位置情報に特化したIoTプラットフォームを使用。センサが取得したデータは、DNP柏データセンター内のサーバーに蓄積される。

 また、屋内ナビゲーションやクーポン配信などの「情報配信機能」も備えており、スマートフォンアプリの位置情報に基づいたサービスが実施可能だ。

 キャスタービーコンは、荷物カートなどのキャスター内部に、電磁誘導型回転式発電ユニットとビーコン回路を搭載。車輪の回転力を利用した「エナジーハーベスト」により、約0.8メートルの移動で電池タイプのビーコンと同等の電波を発信可能。一般的なショッピングカート、台車、カゴ車などの車輪を交換するだけで利用できる。

電磁誘導型回転式発電ユニット
キャスター内部の電磁誘導型回転式発電ユニットの構造

 商業施設や駅・空港などの交通インフラ、倉庫・工場などの屋内施設を持つ企業では、業務効率化や売上拡大のために、人やモノの所在や動線を可視化したいという要望が多くあるという。しかし、このニーズに対応するシステムを導入する場合、使用する機器や情報を集約するサーバーの選定から、運用、保守までの業務負荷が高く、簡単かつ継続的に導入・運用するにはハードルがあったという。

 両社では、偏在するモノの管理に加え、高価な検査機器などの個体管理ニーズにも対応できるとしており、「商業施設などでのショッピングカートの管理」「倉庫・工場などでの台車やカゴ車の管理」「病院や研究機関などでの各種機材の管理」などを活用例として挙げている。

 今後両社は、駅や空港、商業施設、倉庫・工場などの屋内施設でカートや台車などを運用している企業や、高価な機器の所在管理を必要とする研究機関や病院などに対して、同サービスを提供。2020年までに累計10億円の売上を目指すという。

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