ビクターブランド復活へ--JVCケンウッドが「JK3.0」で挑むブランド戦略

 発表会場には、ビクターブランドから登場したエポックメイキングなモデルが展示されていた。写真は1930年に発売した、卓上蓄音機「ビクトローラ J1-80」。日本ビクターで設計、生産され、高級機並みの性能をもった国産化第1号機だったという。当時の価格は85円(大卒初任給は73円)。
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 発表会場には、ビクターブランドから登場したエポックメイキングなモデルが展示されていた。写真は1930年に発売した、卓上蓄音機「ビクトローラ J1-80」。日本ビクターで設計、生産され、高級機並みの性能をもった国産化第1号機だったという。当時の価格は85円(大卒初任給は73円)。

 JVCケンウッドがビクターブランドを復活する。「誇りと探究心」をコンセプトに、JVC、ケンウッドに続く3つ目のブランドとして展開していく。

 ビクターブランドの復活は、3月14日に開催したブランド戦略と新技術「EXOFIELD」の発表会で明らかにしたもの。JVCケンウッドの代表取締役社長である辻孝夫氏は「時代は変わっても歴史は変わらない。ビクターブランドは一時休憩していたが、新たな歴史に踏み出すため、音の映像の世界を探求し続ける時代を作るブランドとして展開する」とコンセプトを話した。


ビクターブランドのロゴマークをバックにブランド復活の経緯を話すJVCケンウッドの代表取締役社長である辻孝夫氏

 ビクターは、旧日本ビクターが国内向けに使用していたブランド名。JVCは海外向けモデルにのみに使用し、使い分けていた。しかし、2008年以降、ビクターブランドの露出が少くなり、ここ数年は国内外ともにJVCブランドで統一していた。

 辻氏は「探究心のDNAを縮小せざるを得ない時代があった。しかし今こそ新たな探究心を追求する時。それにともなってビクターブランドを再定義する」と意欲を見せる。

 JVCケンウッドは、2007年に日本ビクターとケンウッドが資本業務提携契約を締結し、技術開発合弁会社「J&Kテクノロジーズ」を設立。2008年に経営統合し、JVC・ケンウッド・ホールディングスを設立した。その後社名をJVCケンウッドに変更。現在、JVC、ケンウッドの2ブランドでオーディオ製品からカーナビ、ドライブレコーダー、放送業務用機器などを手がけている。


ビクター、ケンウッドのブランドの変遷

 辻氏は、両社の創業から資本業務提携を締結した2007年までを「JK1.0」、経営統合から2016年までを「JK2.0」とし、2016年6月以降を「JK3.0」と位置づける。「今はすべてを根こそぎ変える時。価値創造を旗印に進化を図っている。いよいよ拡大、発展、成長の期間に入った」(辻氏)と現状を説明する。

 商品にも変化が見られる。「技術を核とした尖ったソリューションを提供する」ことをコンセプトに、既存技術も視点を変えることで新たなイノベーションを創出している。

 その一例として、カメラ技術を応用したドライブレコーダー、映像技術とカメラ技術を統合した運転支援システム「i-ADAS」、周囲の音を聞くことで楽器演奏などをしながら音楽を聴けるライブ型の新しいイヤホン「マルチドライブモニターイヤホン」などを紹介。ドライブレコーダーは約2年前に参入し、2万円前後という高価格ながら、売れ筋ナンバーワンになるなど、成果も出ているという。


イノベーションを創出している商品群

 ビクターブランドが担うのは「従来のDNA」を持ち、「時代をつくる」ブランド。2017年はケンウッド創業70周年、日本ビクター創業90周年を迎える記念すべき年。各分野で尖った、イノベーションを創出する記念モデルを各ブランドから発売する予定だという。

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