糖尿病による網膜症をディープラーニングで診断--IBMの最新研究

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2017年04月21日 11時40分

 IBMは米国時間4月20日、医師が糖尿病性網膜症(DR)を診断し分類するのを支援する新たな診断方法によって、目の病気との闘いで最新のブレークスルーを達成したことを発表した。

 DRは糖尿病の合併症で、米国では失明の主な原因の1つだ。IBMの研究チームは深層学習(ディープラーニング)と視覚分析技術を使って、患者のDRの深刻度を86%の精度で分類することに成功した。


糖尿病性網膜症に罹患している眼球のスキャン。出血部分がハイライトされている。

 この方法では、わずか20秒で損傷を特定し分類することができるので、より多くの医師がより多くの患者を検査することが可能になるかもしれない。現在、糖尿病患者は専門の臨床医によるDR検診を受けている。この検診は多くの場合、触診で行われ、時間もかかる。

 DRの深刻度は、網膜の損傷と網膜の血管への損傷の有無や程度に応じて、5段階(DRの症状なし、軽症、中程度、重症、増殖網膜症)に分類される。

 IBMが新たに開発したDR分類方法は、2つのアナリティクスアプローチ、具体的には、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と、DRに固有の病理を含む辞書ベースの学習を組み合わせている。

 研究成果は今週、メルボルンで開催中のIEEE主催によるシンポジウム「International Symposium on Biomedical Imaging」で発表された。

 この研究は、深層学習の手法と画像分析技術を使って、さまざまな目の病気の診断を助けるIBM Researchの取り組みが基になっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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