78回転SPレコードをデジタル化する「Great 78 Project」--約2.6万枚が無償DL可能

 過去のウェブページなどを保存している団体であるInternet Archiveは、古いSP盤アナログレコードの再生音をデジタル化して公開する取り組み「Great 78 Project」を進めている。現時点で、SPレコード約2万6000枚のデジタル音声データがウェブサイトでオンライン再生できるほか、各種形式でダウンロードできる。


SP盤レコードの再生音をデジタル化(出典:Internet Archive)

 レコードというと、LP盤(12インチアルバムの多く。回転速度は毎分33 1/3回転が多い)とEP盤/ドーナツ盤(7インチシングルの多く。回転速度は毎分45回転)を思い浮かべる。しかし、LP盤が登場する以前には、毎分78回転で再生するSP盤が普及していた。Internet Archiveによると、1898年から1950年代にかけて推定300万面相当のSPレコードがリリースされたという。

 今や再生できるプレーヤも一般的でなく、その音を聴くことが難しくなった。しかも、「ビニール」と呼ばれることがある現在のアナログレコードがポリ塩化ビニールで作られているのに対し、SP盤時代のレコードは摩耗したり割れたりしやすい素材でできており、取り扱いや保存が難しい。

 このように過去の音楽メディアとなったSP盤レコードだが、商業的に価値があるものはLP盤やCDとして改めて販売される。しかし、そうした一部のレコード以外には日が当たらない。当時の音楽や文化、技術などを知ることのできる資料であるにもかかわらず、どんどん失われていってしまう。

 こうした貴重なSPレコードの録音を未来へ残す目的で開始されたのが、この古いレコードのアーカイブプロジェクト、Great 78 Projectだ。Internet Archiveは20万枚のSPレコードを保管しており、これらのデジタル化を進めている。さらに、SPレコードの寄付、デジタルデータの登録、レコード情報の修正などに対する協力も呼びかけている。


現時点で約2万6000枚を公開(出典:Internet Archive)

 なお、公開されているデジタル化済みSPレコードの音声データは、研究や教育、個人的な目的に限り再生とダウンロードができる。著作権の切れていないものもアーカイブ化されている可能性があるため、取り扱いには注意しよう。


オンライン再生とダウンロードが可能(出典:Internet Archive)

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